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馬搬に注目―生産性一辺倒より仕事を持続させる技術

読者のみなさん、こんにちは。

話題提供です。
馬と現場人が一体になって材(間伐材など)を搬出する技術―馬搬をご存じでしょうか。

岩手県には馬搬技術に従事する方がおられ、山主さんの山や遠野市(市有林)の搬出作業などに従事されています。
遠野では、馬搬の普及などの取り組む団体が組織されています。
岩手県遠野馬搬振興会 

遠野の馬搬現場人である、岩間 敬さん(34)が、今年開催された、馬搬の欧州選手権に出場され、シングル部門で見事7位に入賞されたとのこと。
(上記サイトに新聞記事がリンクされていますので、ご一読を)

まず、ちょっとした驚きが、チャンピオンシップの開催です。
ちょっと気になって調べてみました。馬搬の欧州チャンピオンシップが開催されるなど、欧州(また北米でも)は相当盛んなようです。

馬搬というと伝統的なスタイルが何となく思い浮かびますが、ここにも驚きが。
器具類も開発が盛で、馬搬用フォワーダ(グラップル付き)の開発も急ピッチのようです。
「馬で丸太を引く」という素朴なイメージを描いてましたが、どうやらモダン馬搬は、もっと先へ進んでいるようです。
(写真は、英国馬搬協会)
horse logging


イギリスは、英国馬搬協会があり、馬搬の普及活動に取り組んでおり、馬搬競技会も開催され、馬搬に関する情報がニュースレーターで紹介されています。

実は、2011年、岩間さんは英国馬搬協会に招待され、こちらの競技会に出場し、シングル部門でなんと優勝を遂げられています。(そのため、2012年欧州選手権に招待されたとのこと)。(写真は、英国馬搬協会ニュースレーターより)
Iwama Takashi san


馬搬は、林地を荒らさず、急傾斜地、土壌保全上機械などが使えない場所でもOKという特長があります。
英国では、自伐林家の技術として推奨され、普及が進められています。

(英国馬搬協会ニュースレーの記事では、馬は人と同じように登場人物のように描かれています。写真でも、デビッドとブルーノ(馬)、ダグとエラ(馬)といったように紹介されています。
馬への愛情がにじみ出ている感じです。)


かつて、馬搬が注目されたこんな場面がありました。
90年代のカナダBC州。
林業会社による高性能林業機械によるあまりに生産性の高い伐出のため、各地の山村地域で伐り尽くし状態になり、地域雇用の伐出従事者が解雇される、という現象がバンクーバー島などを中心に広がったのです。
機械化、高い生産性の行き過ぎは、失業と伐採し尽くされた林地という結果を残したのです。

その反省から、馬搬を見直し、馬搬を広める技術普及がささやかながらはじまったのです。
従事者、地域の視点からすれば、高い生産性より、(切り尽くしなどの心配がなく)仕事が持続する馬搬だったのです。

馬搬については、今後も注目していきたいと思います。(白石)
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